後立山南部(長野) 爺ヶ岳中峰(2669.9m)、南峰(2660m) 2023年9月9日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:13 柏原新道登山口−−2:40 一枚岩(標高2000m)−−3:50 種池山荘−−4:29 爺ヶ岳南峰 5:36−−4:46 爺ヶ岳中峰 5:33−−5:51 爺ヶ岳南峰−−6:24 種池山荘−−7:05 一枚岩(標高2000m)−−7:55 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2023年9月9日 日帰り
天候
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望南峰、中峰とも邪魔するものがなく晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント台風13号が伊豆諸島付近で停滞する微妙な天候の中で爺ヶ岳に登る。結果的には後立山はそれほど天気は悪くなかったが雲は多く遠くの展望はイマイチだったが、下山後に下界を車で走行時は稜線は雲がかかって見えなくなっていたので早朝に登って正解だった様だ。徐々に紅葉が始まっているがピークはまだまだ先だろう。下山時にすれ違った登りの登山者は100人程度で、下山時の駐車場は満車だった


爺ヶ岳南峰から見た後立山、立山、剱岳。雲は多いながら早朝はガスがかからず展望あり


登山口前駐車場は満車 出発時は霧がかかる
扇沢駅 ガラ場の谷には水が流れていた
種池山荘。窓の明かりは全て消えていた 冷池山荘の光
東の星空。夜明け前は冬の星座が上がっていた 爺ヶ岳南峰
爺ヶ岳中峰 爺ヶ岳中峰から見た大町〜安曇野、松本方面の夜景
爺ヶ岳中峰から見た長野市街地の夜景 明るくなってからの長野市街地
爺ヶ岳中峰から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
爺ヶ岳中峰から見た扇沢を取り囲む稜線
爺ヶ岳中峰から見た常念岳 爺ヶ岳中峰から見た鹿島槍ヶ岳
爺ヶ岳中峰から見た剱岳 爺ヶ岳中峰から見た種池山荘
爺ヶ岳中峰から見た冷池山荘 爺ヶ岳中峰から見た冷池山荘テント場
奇跡的に咲き残ったミヤマダイコンソウ 普通のミヤマダイコンソウは紅葉し始め
ウラシマツツジはだいぶ赤くなっていた トウヤクリンドウは残り僅か
爺ヶ岳南峰 コマクサの花もおしまい
爺ヶ岳南峰山頂 爺ヶ岳南峰から見た扇沢
爺ヶ岳南峰から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
爺ヶ岳南峰から見た志賀高原北部の山々
下山開始 僅かに咲き残ったチングルマ
登ってくる人が見える 安曇野方面は降雨で煙っている
標高2500m付近 扇沢に雲海がかかる
シラタマノキの実 標高2470m付近
小屋東側のお花畑は草紅葉が始まっていた 紅葉したチングルマはまだ僅か
唯一見かけたミヤマリンドウ 種池山荘
柏原新道を下る ヒトツバヨモギっぽい
ガラ場の2本の沢 残り少ないミヤマアキノキリンソウ
針ノ木岳、蓮華岳に雲がかかり始めた ゴゼンタチバナの実
稜線の雲が徐々に低くなってきたようだ 駅見岬から見た扇沢
すれ違い困難な急斜面地帯 カライトソウ
八ッ見ベンチ オヤマリンドウ
オオカニコウモリ テンニンソウ
対岸の駐車場。満車と思われる 登山口前駐車場は満車


 今週末の天気予報は当初は台風13号が東海から関東直撃コースで北アルプスも大荒れだと思っていたが、金曜夕方の予報では進行速度が大幅に低下して土曜日も本州南岸に停滞の予報に大化けした。しかし雨の降り方の予報のいくつかは台風が北上するパターンでの予想のままであり、どの程度信用していいのか判断に苦しむ。でも北上せずに関東南にとどまってくれた方が北アルプスからの距離は遠くなり影響は少なくなりそう。いつものように数種類の予報を比較した結果、どうやら北アルプスなら雨は避けられそうで、しかも風速は標高3000mで10m/s以下の予報で台風の影響はほぼ無いように見えた。でも湿った南風が入るので天気はそれほど良くはなく、雨は降らなくても稜線はガスに巻かれる可能でも考えられた。

 今週の平日は仕事で肉体労働して特に足の疲れが抜けないままであり、天気もイマイチはっきりしない状況なのできつい山は避けて軽いコースを選択して久しぶりの爺ヶ岳に向かうことにした。ここなら例え雨が降っても体に触れる藪は皆無だし、種池山荘直下まで樹林帯が続くので傘を有効利用できる。

 天気が悪いので金曜夜の柏原新道登山口には車は皆無だと思ったら先客が2台でちょっとびっくり。路面は濡れているがもう雨は止んでいる。反対側の端に車を置いて酒を飲んで寝たが、夜中に起きたらいつの間にか隣にも車が止まっていて狭い駐車場は満車になっていた。

 いつものように山頂に日の出の時刻に到着するように出発。今の時期の日の出は5:20前後であり、今回は疲労でスピードが上がらない可能性を考慮して爺ヶ岳中峰までの所要時間を4時間を見込んで午前1:20前に出発。この時間は扇沢へ上がる車は通過するがまだ登山者の明かりは無い。上空はいつの間にか満天の星空! これなら雨の心配は無いだろうと傘は持たなかった。

 気温は真夏よりも下がっているが半袖半ズボンでも寒くない程度で、まだ雨上がりなので湿気がやたらと高く感じる。登山道はまだ濡れた箇所があり水溜りもあるが、常念岳の一ノ沢のように水が流れる場所は無いので防水性皆無のボロの登山靴でも浸水する心配はない。

 LEDライトの光で登山道を上がっていく。東の空に明るい星があると思ったら細い月であった。樹林が開けると扇沢駅の光が見える。また、針ノ木峠から針ノ木岳に向かう稜線にも光が一つ見えていたが、おそらく扇沢へ向けて縦走を開始した人だろう。

 昨夜までの雨の影響でガラ場の谷には細いながらまだ水が流れていた。森林限界を突破して斜めに斜面を登り切れば種池山荘だが窓には明かりが点いておらず、建物の中でヘッドライトを点灯して歩いている人の光だけが見えていた。もしかしたら昨夜の宿泊者はゼロだったのか? それともまだ日の出まで1時間半もあるので消灯しているのだろうか。まだ発電機は動いておらず静かだった。小屋の前には人の姿は無かった。

 まだ真っ暗な時間帯なのでライトを点灯したまま爺ヶ岳へと向かう。稜線には先行者の光は見えないが、左手には冷池山荘の光はしっかりと見えていた。立山、剱岳は雲の下の様で劔沢小屋の光が見えていた。一時的な矮小なシラビソ樹林を抜けて再び森林限界を出たところで南西の風を感じて体感的に寒くなったので多少の防寒装備を着用した。

 ジグザグに登って爺ヶ岳南峰直下に達してももまだ暗い時間帯だったので、時間つぶしに爺ヶ岳南峰山頂へ立ち寄る。南には大町から安曇野、松本市街地の明かりがまだ輝いていて、東には長野市街地の光も見えた。長野市内から爺ヶ岳山頂が見えるからここから見えて当然か。

 次に最終目的地の爺ヶ岳中峰に向かう。鹿島槍の稜線には山頂へ向かっている登山者の明かりが一つだけ見えた。縦走路を外れて中峰への道に入って無人の爺ヶ岳中峰山頂に到着。疲労の影響で足は通常より重かったが所要時間は予想より早く登山口から3時間半であった。おかげでまだ日の出まで30分もあり、東の空は明るくなってきたがまだ歩くには明かりが必要な明るさだった。体を動かさないと寒いのでゴア以外の防寒装備を着込んだ。

 予想通り雲は多いものの日本海側は晴れのエリアが広がり、逆に東から南にかけては雲が覆っている。これでは日の出は見えないだろう。志賀高原の山々も八ヶ岳も南アルプスも見えなかった。それどころか南では雨が降っているようで霧がかかったように白く靄っていた。常念岳は最初はかろうじて見えていたがやがて雨雲に飲み込まれてしまった。同時に安曇野付近の盆地にも雨がかかっていたので、後立山まで北上して正解だった。大天井岳や槍穂はずっと雲の中で見えなかった。裏銀座の山々も同じ。立山、剱岳は山頂のみ雲がかかっていたが稜線は見えていた。剱岳以北は晴れのエリアですっきりと見えていた。鹿島槍が大きすぎて後立山北部は見えないが、上空は晴れているのでおそらく山も晴れているのだろう。頚城山脈は薄い雲がかかってはいるが基本的には晴れのエリアだった。

 私の到着から10分ほどで単独の男性が上がってきた。南峰に上がるときに後ろには光が見えなったので猛烈な速さで上がってきたとしか思えない。僅かな時間滞在しただけで鹿島槍方面へと向かっていたので、もしかしたら私と同じく日帰り組かもしれない。まあ、私は爺ヶ岳までだけど。この後は人はやって来なかった。1時間弱の休憩で出発。既に明るくなりライトは不要だ。

 山頂を下って直後に黄色い花を発見。なんとミヤマダイコンソウであった。通常、ミヤマダイコンソウが咲いている期間は7月下旬から8月上旬なので1ヵ月ほど遅い時期であり、こんな時期に狂い咲きは初めて見た。周囲のミヤマダイコンソウの葉は紅葉しかけているが、これが通常であろう。トウヤクリンドウもほぼおしまいでウラシマツツジは早くも紅葉していた。鞍部のコマクサもおしまいだった。

 帰りがけにも南峰に立ち寄ったがここも無人で写真撮影だけして即下山。チングルマの群落の中にミヤマリンドウが無いか探したら2輪だがまだチングルマの花が残っているではないか! 先のミヤマダイコンソウといい、今年の異常な暑さが関係しているのだろうか。

 南峰の半分くらいまで下ると登りの登山者が次々と登場。おそらく小屋泊まりの人達だろう。でもトレラン姿は今朝上がってきたのだと思う。小屋東側のお花畑は少しだけ黄色くなって草紅葉が始まっていたが、チングルマの葉はまだほとんどが青々としたままで、赤くなったのはごく一部だけであった。

 種池山荘前で防寒装備は全て脱いで下山開始。続々と登ってくる人とすれ違う。一応、予報ではこれから回復に向かって明日は晴れの予報だからなぁ。樹林の切れ間から見える針ノ木岳や蓮華岳には雲がかかり始め、時間経過と共に雲が低くなってきたようだ。おそらく爺ヶ岳山頂にも雲がかかり始めているだろうから、早朝に登って正解だった。ただし、予報では天気は回復傾向のはずなので、雨を降らせるような厚い雲ではないのだろう。

 ケルンの標識がある急斜面のトラバース区間はすれ違い困難な場所だが、ここで微妙な間隔で次々と登山者が上がってきたため下ることができずにしばし待ち状態。小さな八ッ見ベンチでは10人近くが休憩中で渋滞していたが、登山口からの標高差が約250mしかない位置での休憩は早すぎないか?

 登山口に到着すると目の前の駐車場も対岸の駐車場も満車状態。まだ午前8時なのでこれから登り始める人の姿もあった。濡れタオルで汗を拭って着替えを済ませ、車に乗って出発して長いスノーシェッドを出た先の駐車余地も車でいっぱいであり、今日は真夏と変わらぬ入山者数だった様だ。

 

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